分別解体とは?建設リサイクル法に基づく廃棄物の処理・計画的な解体工事
解体工事業者をお探しの方に向けて、今回は、分別工事の流れと必要書類・依頼の際の注意点を解説します。
分別解体とは?
解体工事を行う際に、解体しながら分別も同時に行い、計画的に施工することをいいます。
解体工事で出る建設資材の廃棄物を種類ごとに分別しながら、計画的に解体工事をおこないます。
例えば、解体工事で出たコンクリート・アスファルト・木くずなどをの廃棄物を分別することで、リサイクル可能になります。
従来の解体工法は、建物を一気に解体する「ミンチ解体」が主流でした。
業者は建築資材の廃棄物はそのまま埋め立る処理をしていたため、不法投棄が問題化していたのです。
廃棄物の再資源化と再利用を行うために、2000年に「建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化に関する法律)」が制定されました。
「建設リサイクル法」に基づく解体工事
建物面積80㎡を越える建物の解体工事には「分別解体」することが義務付けられています。
分別解体等基準に従って、コンクリート・アスファルト・木材は「特定建設資材」に分類され、リサイクルしなければなりません。
「分別解体」は足場が必要なため、従来よりも手間・日数・コストがかかります。
万が一、従来のような「ミンチ解体」をした場合は、厳しい罰則も規定されています。
解体工事における届け出・やるべきこと(施主・施工業者)
解体工事をする際には、発注者は所在地の市町村に「分別解体等の計画書」を届け出する義務があります。
届出の提出義務は発注者(依頼主)にありますが、委任状を作成して解体工事業者に依頼することも可能です。
届出書には、分別解体等の計画を記載する箇所があるため、発注者責任を果たす役割があります。
解体工事を依頼する際の届け出・必要書類
解体工事を依頼する際は、工事に取り掛かる7日前までに、以下の書類を所在地の市区町村へ届ける必要があります。
- 分別解体を行う届出書
- 工事の進め方を記載した分別解体等の計画書
- 解体工事現場がわかる案内図や地図
- 設計図や写真
- 配置図
- 解体工事の工程表
発注者が解体業者に依頼して届け出る場合は、業者の委任状も提出してください。
詳細は各自治体によって異なりますので、詳しくは自治体のホームページで確認しましょう。
解体業者が違反した場合はどうなるの?
解体業者が廃棄物を分別せずにミンチ解体して、不法投棄した場合は、違法行為として罰せられます。
以下の解体業者は、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金という重い罰則が課せられます。
- 解体業者が届出をせずに着工をしてしまった場合
- 不法投棄を行った場合
- 廃棄物の不正な償却を行った場合
【注意】依頼主(発注者)として注意しておきたいことは、以下の通りです
- 解体工事前に役所に届出をしなかった場合
- 偽りの届出をした場合
届出書の提出期限は、解体工事が施行開始される7日前までとなります。
申請を忘れたり、無視した場合は、依頼主に最大20万円の罰金が課せられるので注意が必要です。
都道府県から変更の命令があり、命令に従わずに提出しないでいると、罰金30万円が課せられます。
解体業者がきちんと届出をしていない場合は、依頼主(発注者)に罰則が適用されるので要注意です。
分別解体 まとめ
「分別解体」を依頼する際は、信頼のおける解体業者であるかどうか、十分に検討してから選ぶことが大切です。
発注者に責任を問われるリスクもありますので、分別解体について理解し、建設リサイクル法に基づき、計画的に進めましょう。